東日本巨大地震の前震・本震・余震の震央を記入した赤色立体地図

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2011年3月11日午後2時46分、東日本巨大地震発生。

大地震に伴う津波は、海難災害です。救命胴衣を着けていれば
犠牲者数を大幅に減らすことができます(月刊地震予報97)。
津波対策では何より先に救命胴衣の準備を。

月刊地震予報134)謎の歪蓄積個所と2020年11月の月刊地震予報

1.2020年10月の地震活動

気象庁が公開しているCMT解によると,2020年10月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で7個0.051月分,千島海溝域で0個,日本海溝域で2個0.014月分,伊豆・小笠原海溝域で3個0.269月分,南海・琉球海溝域で2個0.020月分であった(2020年10月日本全図月別).日本全域総地震断層面積比は2020年7月に1.5割に減少し,2020年8月に0.5.割以下まで減少して9月に1割台に回復したが,10月には0.5割に戻った.
最大は2020年10月3日伊豆海溝域同心円状屈曲太平洋Slab内地震M5.8pであった.日本全域のCMT総地震断層面積規模はM6.0でM6.0以上の地震はない.

2.謎の歪蓄積個所と2020年11月の月刊地震予報

平成東北沖巨大地震M9.0によって解放された400年前から蓄積されてきた巨大歪(月刊地震予報122)の所在は,日本列島下の地震活動を理解する上で重要な鍵となる謎である.
2020年7月からPlate運動による歪の1割程度しか地震活動として解放されず,9割が蓄積されている.この歪は通常の蓄積箇所とともに謎の蓄積箇所にも蓄積を開始しているであろう.通常の歪解放をしない謎の蓄積箇所であっても,その周辺には歪変化によって地震活動を伴う場所も予想されるので,平成東北沖巨大地震前後の地震活動と今後の地震活動を注意深く比較検討することにする.
第3波の新型Corona禍が襲う日本列島の地震への警戒は怠ることができない.

月刊地震予報133)2020年9月12日の北上沖島弧Mantle・太平洋Slab衝突地震M6.2,2020年10月の月刊地震予報

1.2020年9月の地震活動

気象庁が公開しているCMT解によると,2020年9月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で11個0.120月分,千島海溝域で1個0.205月分,日本海溝域で4個0.709月分,伊豆・小笠原海溝域で1個0.007月分,南海・琉球海溝域で5個0.045月分であった(2020年9月日本全図月別).日本全域総地震断層面積比は2020年7月に1割半に減少し,2020年8月に半.割以下まで減少したが,9月には1割台に回復した.
最大地震は2020年9月12日北上沖島弧Mantle・太平洋Slab衝突地震M6.2Pであった.日本全域のCMT総地震断層面積規模はM6.3で他にM6.0以上の地震はない.

2.2020年9月12日の北上沖島弧Mantle・太平洋Slab衝突地震M6.2

 2020年9月12日11時44分北上の南三陸沖で島弧Mantle・太平洋Slab衝突地震M6.2が深度43(Slab上面からの深度+5)kmが起き,北海道から中部地方まで揺れ,北上で最大震度4が記録された(図380)

図380.2020年9月12日11時44分M6.2の震度分布.
 気象庁HPの震度分布図より,青×が震央.Clickすると拡大します.

発震機構は圧縮過剰の逆断層P型である.圧縮P軸傾斜は太平洋Plateの島弧側へのPlate運動方位(図381右下図中央付近の紫色折線)の逆方位(右下図上端)である.この海溝側への傾斜は,島弧側に傾斜する衝突境界面(図381中図)に摩擦力が働き衝突していることを意味している.同震源域では,2020年4月20日にM6.2pがほぼ同所で起こっており(月刊地震予報128),2020年9月17日9時17分にも北端でM4.5+pが起こっている(図381).

図381.2018年から2020年9月までの北上沖島弧Mantle・太平洋Slab衝突地震CMT解.
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 この北上沖Mantle・Slab衝突震源域(ofAcKtk)には212個のCMT解があり,最大は2015年5月13日M6.8p深度46(+4)kmで(速報68),総地震断層面積規模はM7.4である(図382).今回の規模M6.2以上のCMT解は約20分の1の9個であるが,その総地震断層規模はM7.2と総CMTよりM0.2少ない程度で,全体の活動を代表している.
 CMT解は2011年3月11日東北沖巨大地震後急増し,2014年に静穏化したが,2015年に活発化・2017年に静穏化・2018年に再活発化して現在に至っている,

図382.1994年9月以降の北上沖島弧Mantle・太平洋Slab衝突地震のCMT解.
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 1922年以降の観測地震を含めた地震459個の総地震断層面積規模はM8.0で,最大は1936年11月3日M7.4深度61(+20)km・1978年6月12日M7.4深度40(+4)kmであり,次大が1937年7月27日M7.1深度56(+15)kmである(図383).今回の規模M6.2以上の地震は25個と約20分の1である.

 CMT最大の2015年5月13日M6.8は,本震源域中央付近に位置するが,最大・次大観測地震の1936年11月3日M7.4・1937年7月27日M7.1・1978年6月2日M7.4は南端の金華山沖で起こっている(図384).

図384.M6.8以上の北上沖島弧Mantle・太平洋Slab衝突地震,
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3.2020年10月の月刊地震予報

2011年3月11日の東北沖巨大地震前には,地震学者によって「宮城県沖」と呼ばれている1936年と1978年金華山沖M7.4の地震が今にも再来すると予測されていた.2011年3月9日の最大前震M7.3についての解説では,「宮城県沖地震ではない」とのことであった.
東北沖巨大地震による400年前から蓄積された巨大歪の解放によって北上沖島弧Mantle・太平洋Slab衝突震源域の組換えも予想される.その組換えが隠されていた巨大歪を解明する手掛かりになることから今後の動静を注意深く見守ることにする.
2020年8月は,2020年1月以来7カ月ぶりにM6.0以上の地震がなく,9月も1個に留まり,静穏化が続いている.この静穏化が,嵐の前の静けさなのか否かは分からない.新型Corona禍と豪雨の続く日本列島下で,地震への警戒を怠ることはできない.

月刊地震予報132)2020年8月の静穏化,2020年9月の月刊地震予報

1.2020年8月の地震活動

 気象庁が公開しているCMT解によると,2020年8月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で7個0.038月分,千島海溝域で0個,日本海溝域で3個0.146月分,伊豆・小笠原海溝域で2個0.056月分,南海・琉球海溝域で2個0.024月分であった(2020年8月日本全図月別).日本全域総地震断層面積比は2020年7月に1割半に減少し,2020年8月に0.4割まで減少した.
 最大地震は2020年8月6日茨城沖島弧地殻・太平洋Slab衝突地震M5.6P深度54(Slab深度+31)kmであった.日本全域のCMT総地震断層面積規模はM5.9でM6.0以上の地震はなかった.

2.2020年9月の月刊地震予報

 2020年8月は,2020年1月以来7カ月ぶりにM6.0以上の地震がなかった.これが静穏期の始まりなのか,嵐の前の静けさなのか分からないが,新型Corona禍と豪雨の続く日本列島を襲う地震について警戒を怠ることはできない.