月刊地震予報125)静穏化が続く日本列島,2020年2月の月刊地震予報

1.2020年1月の地震活動

気象庁が公開しているCMT解によると,2020年1月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で10個0.080月分,千島海溝域で2個0.040月分,日本海溝域で5個0.247月分,伊豆・小笠原海溝域で1個0.180月分,南海・琉球海溝域で2個0.008月分であった(2020年1月日本全図月別).2019年8月まで4割以上を保持していた日本全域総地震断層比の1割以下への急減が継続し,12月にやっと1割以上に回復したが,今月に1割以下に戻り,5ヶ月に渡る異常静穏化が進行している.
最大地震は2020年1月3日鹿島沖M5.8Pで,M6.0以上の地震は無かった.

2.2020年2月の月刊地震予報

2019年9月からの地震活動静穏化は継続している.この5ヶ月間の静穏化に匹敵するCMT解記録は,1995年5月から9月・1997年7月から1998年1月・2002年12月から2003年4月の3回のみである.
千島海溝域は2018年8月M6.4(月刊地震予報108)以後静穏化しているが,日本海溝域・伊豆小笠原海溝域・南海琉球海溝域は昨2019年9月から静穏化が進行している(図356).
慶長地震から延宝地震・元禄関東地震までの静穏期(6221月刊地震予報122)に対応するか注意深く見守ることにする.

図356. 現在低下中のCMT解総地震断層面積規模の移動平均.
 Total:日本全域,RykNnk:琉球海溝・南海Trough域,OgsIz:小笠原海溝・伊豆海溝域,Jpn:日本海溝域,Chishima:千島海溝域.下の数値は総地震断層面積のPlate運動面積に対する比と総地震断層面積.縦の黒色実線は総規模M6.0.