月刊地震予報156(2022年9月29日)2022年9月の月刊地震予報

1.2022年8月の地震活動

気象庁が公開しているCMT解によると,2022年8月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で17個0.110月分,千島海溝域で3個0.058月分,日本海溝域で5個0.185月分,伊豆・小笠原海溝域で6個0.291月分,南海・琉球海溝域で3個0.056月分であった(2022年8月日本全図月別).総地震断層面積規模はΣM6.3で.最大地震は伊豆海溝域の鹿島小円南区の伊豆海溝震源帯鹿島震源区TrPcKの2022年8月17日深度39㎞ M5.7で,M6.0以上の地震はなく,日本全域が静穏化した(図481右下図左端Total).このような日本全域静穏化は2021年8月・2022年1月以来である.

図482.2021年1月から2022年8月までの日本全域20ヶ月間のCMT解
 震央地図(左図),海溝距離断面図(中図)
 地震断層面積変遷(右上下図):右縁の数字は月数(図422説明参照(月刊地震予報144).
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2.2022年9月の月刊地震予報

 琉球海溝域は,2021年8月以来,M6級の地震活動を続け,その累積地震断層面積はBenioff曲線で階段状に増大していたが,2022年7月から静穏化している.これまでのBenioff曲線の階段の幅は1ケ月半から2ケ月であることから,M7級への警戒が必要である.
 日本海溝域では,前弧沖震源帯2022年3月16日M7.4Pの余震は終息したようである.