速報51)2014年2月の地震予報

1.2014年1月の地震活動

 気象庁が公開しているCMT解を解析した結果,2014年1月の地震個数と,プレート運動面積に対する総地震断層面積の比は,日本全域で13個0.084月分,千島海溝域で2個0.084月分,日本海溝域で7個0.168月分,伊豆・小笠原海溝域で1個0.117月分,南海・琉球海溝域で3個0.039月分であった(2014年1月日本全図月別).
 日本全域で0.084月分となり、このような0.1月分を下回る地震断層面積比は,2012年9月(0.069月分)を除いて,東日本大震災前の2010年1月からこれまでなかった.このまま地震活動が静穏化すれば,東日本大震災前の水準まで低下することになる.
 1月のM5.5以上の地震の月日・マグニチュード・発震機構(震源震央分布図の解説)・深度は;

  1. 千島海溝域: 1月11日M5.5 p 30km.
  2. 日本海溝域: 1月4日M5.6 -t 50km(2014年1月東日本月別).
  3. 伊豆海溝域:1月18日M5.6 P 30km.
  4. 琉球海溝の八重山域  :1月9日M5.5 Pr 70km.

2.2014年2月の地震予報

 日本海溝域の最上小円区では,2013年12月にCMT発震機構解が公表されなかったが,2014年1月4日に海溝軸付近で同心円状屈曲に伴う圧縮過剰正断層-t型地震が起こった.今後,屈曲スラブが平面化する地震の発生が予想されるので,三つ目の宮城県沖地震の再来に警戒が必要である.
 福島県浜通域の地震は東日本大震災後に活動を始めたが,2014年1月にも自動初動発震機構解(2014年1月東日本IS月別)に2個, CMT発震機構解(2014年1月東日本月別)に1個の地震が公表されている.日本全域の地震活動静穏化にもかかわらず活動を続けていることから,宮城県北部地震の再来も念頭に警戒が必要である.