月刊地震予報134)謎の歪蓄積個所と2020年11月の月刊地震予報

1.2020年10月の地震活動

気象庁が公開しているCMT解によると,2020年10月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で7個0.051月分,千島海溝域で0個,日本海溝域で2個0.014月分,伊豆・小笠原海溝域で3個0.269月分,南海・琉球海溝域で2個0.020月分であった(2020年10月日本全図月別).日本全域総地震断層面積比は2020年7月に1.5割に減少し,2020年8月に0.5.割以下まで減少して9月に1割台に回復したが,10月には0.5割に戻った.
最大は2020年10月3日伊豆海溝域同心円状屈曲太平洋Slab内地震M5.8pであった.日本全域のCMT総地震断層面積規模はM6.0でM6.0以上の地震はない.

2.謎の歪蓄積個所と2020年11月の月刊地震予報

平成東北沖巨大地震M9.0によって解放された400年前から蓄積されてきた巨大歪(月刊地震予報122)の所在は,日本列島下の地震活動を理解する上で重要な鍵となる謎である.
2020年7月からPlate運動による歪の1割程度しか地震活動として解放されず,9割が蓄積されている.この歪は通常の蓄積箇所とともに謎の蓄積箇所にも蓄積を開始しているであろう.通常の歪解放をしない謎の蓄積箇所であっても,その周辺には歪変化によって地震活動を伴う場所も予想されるので,平成東北沖巨大地震前後の地震活動と今後の地震活動を注意深く比較検討することにする.
第3波の新型Corona禍が襲う日本列島の地震への警戒は怠ることができない.