月刊地震予報113)種子島のM6.0,小笠原海溝外地震M5.9,2019年2月の月刊地震予報

1.2019年1月の地震活動

気象庁が公開しているCMT解によると,2019年1月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で14個0.145月分,千島海溝域で0個,日本海溝域で7個0.254月分,伊豆・小笠原海溝域で2個0.243月分,南海・琉球海溝域で5個0.203月分であった(2019年1月日本全図月別).2018年12月21日の千島海溝北東端のKamchatka半島沖のM7.3(月刊地震予報112)によって2か月分近くまで増大したが,2割以下に戻った.
最大地震は2019年1月8日種子島のM6.0P深度30(Slab深度+3)kmである.次大は1月6日小笠原沖のM5.9-tro0(-6)kmである.沖縄Troughでは連発地震があった.与那国島・熊本の地震は続いている.房総三重会合点連発地震域の西側で1月15日M4.6p54(+28)kmが起こっている.

2.2019年1月8日の種子島のM6.0

 2019年1月8日21時39分に種子島の琉球Slab上でM6.0P30(+3)kmがあった(図308).本地震に先立ち1月3日に熊本でM5.1-np10km,本地震の後,沖縄Troughで1月24日M4.5nt9km・1月25日M4.6np7kmがあった.

図308 種子島の地震M6.0
 2019年1月の地震と20151114M7.1沖縄最大地震,20160416M7.3熊本地震.クリックすると拡大します.

 熊本地震2016年4月16日M7.3+nt12kmも沖縄Troughの最大地震2015年11月14日M7.1+nt17kmの後に起こっており,沖縄Trough拡大が熊本地震の契機となったと考えられていたが(月刊地震予報79),本地震は更にこれらが琉球海溝に沿う比海Plate沈込と関連していることを示しており,比海Plate沈込による巨大地震に警戒が必要である.

3.2019年1月6日の小笠原海溝外地震M5.9

2019年1月6日7時54分M5.9-tro0(-6)kmは,小笠原海台小円区と小笠原小円区の境界線上の小笠原海溝外-146kmであった(図309).海溝外最遠記録は-189kmのMariana小円区北西縁境界2012年10月1日M6.1-to0(-6)kmであるが,それに次ぐ記録である.最大海溝外地震は小笠原小円区南縁の2010年12月22日M7.8To8(+2)kmで海溝外距離は-56㎞である.この地震は東日本大震災の前年末に起こっており,契機となったと考えられるので警戒が必要である.

図309 小笠原海溝外地震M5.9
 2019年1月の地震と20101222M7.8海溝外最大地震,20121001M6.1海溝外最遠地震. クリックすると拡大します.

4.2019年2月の月刊地震予報

種子島の地震M6.0の後沖縄Troughでは連発地震があり.与那国島・熊本の地震も続いている.房総三重会合点連発地震域(月刊地震予報112)の西側でM4.6p54(+28)kmが起こっている.
本震に至らない前震と考えられる連発地震が択捉島(月刊地震予報101)・国後島( 月刊地震予報111)・三重会合点(本号)・大阪府北部(月刊地震予報106)・島根県西部(月刊地震予報104)・琉球海溝(月刊地震予報109・本号)・与那国島(月刊地震予報110)・台湾(月刊地震予報102)と全国的に起こっており,一触即発の状況は続いている.