月刊地震予報90)2017年4月の月刊地震予報

1.2017年3月の地震活動

 気象庁が公開しているCMT解を解析した結果,2017年3月の地震個数と総地震断層面積のプレート運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で21個0.070月分,千島海溝域で4個0.02,日本海溝域で11個0.20月分,伊豆・小笠原海溝域で2個0.09月分,南海・琉球海溝域で4個0.05月分であった(2017年3月日本全図月別).
2017年2月の最大地震は3月1日小笠原海台域M5.5+nt321kmで,M6以上の地震はなかった.

2.2017年4月の月刊地震予報

2017年3月の日本全域CMT個数は21個と先月2017年2月の18個から増加したが,地震断層面積のプレート運動面積に対する比は0.070と先月の0.075から減少し,一割以下が3か月続いている.3か月連続で1割以下を記録したのは,東日本大震災前の1995年・1997年・1999年・2001年・2002年・2004年内に夫々1度の計6回のみで,嵐の前の静けさがどれだけ続くか警戒が必要である.
南海トラフ・琉球海溝・台湾域の地震断層面積比は2017年3月が0.040と増加したが,2016年10月の鳥取県中部地震以後,5か月連続して0.1以下を記録している.フィリッピン海プレート沈込域である関東・西南日本・琉球・台湾の地震活動に継続して警戒が必要である.
千島海溝域では,2016年10月の1個0.155以降,4か月間0.003以下であったが,2017年3月に4個0.022と活動を再開しているので警戒を要する.
房総三重会合点の2016年9月23日M6.7pe32kmに関連し,関東域のM6以上の地震に警戒を呼掛けているが(月刊地震予報88),引き続き警戒が必要である.