月刊地震予報152)2022年5月の月刊地震予報

1.2022年4月の地震活動

 気象庁が公開しているCMT解によると,2022年4月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で13個0.077月分,千島海溝域で1個0.005月分,日本海溝域で8個0.293月分,伊豆・小笠原海溝域で1個0.020月分,南海・琉球海溝域で3個0.084月分であった(2022年4月日本全図月別).総地震断層面積規模はΣM6.2で.最大地震は琉球海溝域の沖縄海盆震源帯M5.6tで,M6.0以上の地震は無かった.

2.2022年5月の月刊地震予報

 日本海溝域では,日本海溝から沈込む太平洋底を同心円状屈曲させている前弧沖震源帯で2022年3月16日M7.4が起こり新幹線を脱線させたが,この余震活動は数か月続くと予想される.今後,前弧沖震源帯を通過した同心円状屈曲Slabの平面化に伴う地震に警戒が必要である.平面化の地震の深度は今回の前弧沖震源帯より深いため今回ほどの被害は出ないであろう.
 琉球海溝域では沖縄海盆拡大期の次に予想される琉球海溝震源帯のM7.0以上の大地震が懸念される状態にあり(月刊地震予報147),警戒が必要である.