月刊地震予報123)2019年9月からの静穏化,2019年12月の月刊地震予報

1.2019年11月の地震活動

気象庁が公開しているCMT解によると,2019年11月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で15個0.058月分,千島海溝域で2個0.031月分,日本海溝域で7個0.226月分,伊豆・小笠原海溝域で1個0.041月分,南海・琉球海溝域で3個0.023月分であった(2019年11月日本全図月別).2019年8月まで4割以上を保持していた日本全域総地震断層比の1割以下への急減が継続している.
最大地震は2019年11月29日三陸沖M5.6Pで,M6.0以上の地震はない.M6.0以上のCMT解はこれまでの9221日間に469個で,19.7日毎に1個起っていた.しかし,2019年8月29日のM6.1(月刊地震予報120)を最後に93日間起っておらず,異常な静穏化が進行している(月刊地震予報122).

2.2019年12月の月刊地震予報

2019年9月からの地震活動静穏化は,「平成歪蓄積周期」から次の周期へ移行する静穏期と予想され(月刊地震予報122),東北沖巨大地震によって歪が完全に開放された日本列島にPlate運動による歪が蓄積して地震を起こす様子を地震計網によって史上初めて観測されることになるので注意深く見守ることにする.