東日本巨大地震の前震・本震・余震の震央を記入した赤色立体地図

新妻地質学研究所へようこそ

2011年3月11日午後2時46分、東日本巨大地震発生。
今、仙台、東北、日本、環太平洋、地球で何が起こっているのか?

プレートテクトニクス一筋で
地球科学を研究してきた仙台在住の著者が考えます。

月刊地震予報116)台湾花蓮の地震M6.5と琉球海溝外連発地震,東北沖震源帯明治三陸沖M6.2,東北沖巨大地震M9.0の歪蓄積,2019年5月の月刊地震予報

1.2019年4月の地震活動

気象庁が公開しているCMT解によると,2019年4月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で12個0.396月分,千島海溝域で2個0.060月分,日本海溝域で2個0.730月分,伊豆・小笠原海溝域で2個0.256月分,南海・琉球海溝域で6個0.659月分であった(2019年4月日本全図月別).2019年2月の1割以下から回復し,4月に4割近くに達した.
最大地震は2019年4月18日台湾花蓮M6.5,次大は4月11日日本海溝三陸沖M6.2で,M6.0以上はこの2個である.4月4日から14日まで琉球海溝外で連発地震があったが,4月13日から14日の2個の地震が24時間以内に起こり,脈震(月刊地震予報115)になった.

2.2019年4月18日台湾花蓮の地震M6.5と琉球海溝外連発地震

 2019年4月18日14時01分に台湾の花蓮でM6.5Pe20kmがあった.琉球海溝が与那国で大屈曲して台湾東海岸に上陸する花蓮では死傷者の出た2018年2月7日M6.7-npo10km(月刊地震予報102月刊地震予報103)以来の地震である(図314).その後,琉球海溝外152kmの海溝外最遠地震2018年7月25日M5.3(月刊地震予報108)が起り,2018年8月14日から琉球海溝域連発地震(月刊地震予報109),2018年10月23日から与那国連発地震(月刊地震予報110)が起った.

図314 琉球海溝域2018年1月-2019年4月のCMT解主応力方位.
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 2019年2月16日には沖縄TroughM5.5nt12km(月刊地震予報114)があった.沖縄Troughは日本列島において海洋底拡大が進行している海域で地震活動も活発で131個のCMT解がある.その発震機構型には逆断層型が無く,横擦断層型67・正断層型64と拡大海域であることを特徴付けている.引張T軸方位は横擦断層型も正断層型もPlate運動方位に沿っており,Plate運動による拡大であることを示している(図315).震源深度増大とともに正断層型が増加することは,浅所では静岩圧による垂直方向の圧縮P応力がMantleの上昇によって相殺されていることを示している.

図315 沖縄TroughCMT解主応力方位図.
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今回の琉球海溝外連発地震の最初で最大の2019年4月8日13時12分M5.6-to45kmを基準にすると震央距離/深度差と応力場偏角は,4/+0km38.0・3/+2km18.6・3/+0km20.1と震源距離4km以内,応力場偏角38°以内と一致しており,大地震の前震とも考えられるので警戒が必要である.この連発地震中に南西方の海溝軸上で208/+37km23.9が起こっており,応力場偏角に差がないことは,この応力場に琉球海溝域が広く覆われていることを示している.台湾花蓮の地震M6.5はこの連発地震の4日後に起こっている.

3.2019年4月11日の東北沖震源帯明治三陸地震域M6.2

2019年4月11日17時18分M6.2P5kmが三陸沖の島弧地殻内で起こった.本地震の圧縮P軸傾斜方位(図316右下図の○印)が主応力軸方位図の中央付近の紫色折線(Sub)のPlate運動方位から180°異なる逆方位に当たる上縁に位置しており,太平洋Slab上面に沿う剪断応力場にあることを示している(月刊地震予報107).

図316 日本海溝域2019年3月-4月CMT解主応力方位図.
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 その後,4月15日5時28分に釧路沖の太平洋Slab上部でM5.1P43kmと4月23日2時45分三陸沖の太平洋Slab深部でM5.6p57kmがPlate運動方位と逆P軸傾斜の剪断応力で起っている.本地震基準の応力場偏角は25.2と8.7°と殆ど変わらず,2019年3月11日の茨城沖の脈震(月刊地震予報115)も22.6・15.4°と差がなく,日本海溝域が太平洋Slab上面に沿う一様な剪断応力場にあることを示している.

4.東北沖巨大地震M9.0の歪は何時から蓄積されていたのか

地震の規模と地震断層の長さ・ずれの関係(松田,1975)から東北沖巨大地震M9.0の地震断層面積は7.94km2と算出されるが,この歪みは何時から蓄積されていたのかを検討する.
東北日本の地震活動と日本海溝に沿う太平洋Plateの沈込を定量的に解析するため,太平洋Plateの沈込面積と全地震の地震断層面積(地震断層の移動面積)を積算した総積算地震断層面積(2002速報36)を比較した.総積算地震断層面積を地震断層面積とする1つの地震の規模を総地震断層面積規模とし,Plate運動面積との比較に用いる(月刊地震予報106).中村一明(談)はBenoff(1954)が導入した弾性反発説(Reid, 1910)の表示法を高く評価し,伊豆大島の火山噴出物解析に使用した(Nakamura, 1964).この表示法は活断層について用いられ,広く知られるようになった.中村の高い評価に基づきこの表示法を Benioff図と呼ぶことにする(特報5).
 大正関東大震災後の1923年9月2日から東日本大震災前の2011年3月10日までの地震760個の総地震断層面積はBenioff図で斜直線のPlate運動面積増大に沿って階段状に増加し(図317の右中図左端),東北日本の地震活動が太平洋Plateの日本海溝に沿う沈込に起因していることを示している.また,その総地震断層面積は巨大地震と同じ7.94km2で総地震断層面積規模はM9.0と等しいが,その間のPlate運動面積の1.10倍になり,地震活動はPlate運動より1割多く消費していたことになる.

図317 大正関東大震災から東日本大震災までの総地震断層面積の推移.
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表37.総歴史地震面積とPlate運動面積(単位:M9.0)

期間      Plate運動 地震活動 地震活動 歪蓄積
(東北日本) (東北日本) (西南日本) (東北日本)
2011年3月10日
(東日本大震災前日)
88年間 0.91個 1.00個 0.44個 (M8.7) -0.09個
1923年9月4日
(大正関東大震災翌日)
130年間 1.34個 1.00個 0.77個 (M8.9) +0.34個
1793年
698年間 7.22個 1.00個 1.55個 (M9.2) +6.22 個
1095年

 1923年の関東大震災までに総地震断層面積規模がM9.0になるには1793年からの130年間の地震150個が必要である(表37).その間のPlate運動面積はM9.0の1.34個分で,0.34個分しか東北沖巨大地震の歪に蓄積できず,1793年以前からの歪蓄積が必要である(図318).

図318 700年から東日本大震災までの総地震断層面積の推移.
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1793年以後の総地震断層面積規模は東北日本が西南日本より大きいが,以前は西南日本より小さくなっている.この逆転は,東北日本の歴史地震記録の不備が原因と予想される.この不備を西南日本の充実した歴史地震記録を用いて補う.1793年から2011年の総地震断層面積は,東北日本でM9.0の2個分に対し西南日本で1.21個分であるので,この比率を一定と仮定して西南日本の総地震断層面積から東北日本の総地震断層面積を算出し,Plate運動面積と比較する(表38).

表38.総歴史地震面積とPlate運動面積(単位:M9.0) [東北日本/西南日本=1/0.60]

期間      Plate運動 地震活動 地震活動 歪蓄積
(東北日本) (東北日本) (西南日本) (東北日本)
2011年3月10日
(東日本大震災前日)
88年間 0.91個 1.00個 0.44個 (M8.7) -0.09個
1923年9月4日
(大正関東大震災翌日)
130年間 1.34個 1.00個 0.77個 (M8.9) +0.34個
1793年
182年間 1.88個 [0.83個] 0.50個 (M8.7) +1.05個
1611年
(慶長三陸地震)
516年間 5.33個 [1.75個] 1.05個 (M9.0) +3.58個
1095年

1611年慶長三陸地震後から1793年までの東北日本の補正地震断層面積はM9.0の0.83個分になり,1.88個分のPlate運動面積から1.05個分を歪蓄積に充てることができる.この経過は,巨大地震用の歪は歪蓄積満了後にもPlate運動による歪を通常地震活動として消化しながら保持できることを示している.

5.2019年5月の月刊地震予報

 琉球海溝域では地震活動が活発化しているが,広域応力場が安定していることから,予想されている南海Trough巨大地震に警戒が必要である.
日本海溝域では太平洋Slab上面と島弧地殻の剪断応力に地震が広く起っており,その動静に警戒が必要である.
東北沖巨大地震以前は慶長三陸地震以後蓄積された歪を抱えた状態でPlate運動を地震活動として消化していたが,東北沖巨大地震によって歪を解放された後にどのような地震活動を展開するか注意深く見守る必要がある.特に西南日本に予想される巨大地震にも東北日本との強い相互関係が予想されるので発震機構に基づく力学的解析が不可欠である.
巨大地震の前震は連発地震(速報66)や脈震(月刊地震予報115)として捉えることが十分可能で,本震・前震の区別も応力場極性偏角(月刊地震予報99;月刊地震予報87)と規模差(月刊地震予報110)から判定でき,対症療法は完成の域に近付いているが,地震発生の力学への道はまだ先である.

引用文献

 Benioff, H.(1954)Orogenesis and deep crustal structure: additional evidence from seismology. Geological Society of America, Bulletin, 66,385-400.
 松田時彦(1975)活断層から発生する地震の規模と周期について.地震第2輯,28,269-283.
 Nakamura, K.(1964) Volcano-stratigraphic study of Oshima Volcano, Izu. Bulletin of Earthquake Research Institute, 42, 649-728.
Reid, H.F.(1911) The mechanics of the earthquake, vol. 2 of the California Earthquake of April 18, 1906: Report of the State Earthquake Investigation commission: Carnegie Institution of Washinton Publication 87, C192 p.2 vols.

月刊地震予報115)千島海溝外地震M6.2,東北沖震源帯茨城沖M6.0,脈震,2019年4月の月刊地震予報

1.2019年3月の地震活動

 気象庁が公開しているCMT解によると,2019年3月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で12個0.173月分,千島海溝域で2個0.245月分,日本海溝域で4個0.365月分,伊豆・小笠原海溝域で0個,南海・琉球海溝域で6個0.099月分であった(2019年3月日本全図月別).2018年12月に2か月分近くまで増大したが,2019年2月に1割以下まで低下して1割以上に戻った.
最大地震は2019年3月2日千島海溝外のM6.2で,次大は3月11日日本海溝域のM6.0で,M6.0以上はこの2個である.

2.2019年3月2日千島海溝外地震M6.2

 2019年3月2日12時22分に千島小円区と襟裳小円北区境界付近の千島海溝外24kmでM6.2nto深度51kmがあった.本震源から100km以内にCMT解のない稀発地震で,千島海溝域で初の海溝外地震である(図312).

図312 千島海溝域初の2,019年3月2日海溝外地震M6.2ntoと2019年2月13日得撫島沖脈震.クリックすると拡大します.

3.2019年3月11日の東北沖震源帯茨城沖M6.0

 2019年3月11日2時10分M6.0P18kmが最上小円区南西縁の茨城沖東北沖震源帯の島弧地殻と太平洋Slabの接触面であった.圧縮主押力P軸の傾斜が接触面傾斜と逆方向であるので,接触面における剪断応力による地震である.
 この14分後の2時24分にもM4.9P28kmがあった.初動震源位置は東南東(119°)に8kmしか離れておらず,応力場偏角も8.1°と同じでM6.0の応力場を保持しており,将来起こる大地震の前震であることが予想される.
 東北沖震源帯では,8年前の3月11日14時46分M9.0の東日本巨大地震と15時15分M7.6の茨城県沖が起こっており,M6.0以上のCMT解は62個ある(図313).

図313 東北沖震源帯のM6.0以上のCMT解.クリックすると拡大します.

 そのP軸方位はPlate運動方位(右下の方位図中央の紫色折線)から上下に180°離れた上下端の逆方位に集中しており,太平洋Slab上面に沿う剪断応力場による地震であることを示している.本震源域では南東(134°)に37kmの2008年12月20日M6.6P0kmと南南東(163°)に19kmの2008年12月21日M6.2T0kmがあるのみで,東日本巨大地震後には起こっていないので警戒が必要である.

4.2019年3月の脈震

 2019年3月には1日以内にほぼ同所でCMTが3月11日東北沖震源帯茨城沖および3月27日に日向灘,ISが3月7日前弧沖震源帯の志津川沖と30日浦河沖および27日に日向灘で発生した.月刊地震予報では24時間以内に同所で発生する地震を「脈震(pulsating shock)」と名付け,今後検討解析の対象とする.
 脈震は大地震本震後の余震に多いが,前震にも起こる.前震は本震域の歪の増大によって破壊強度の小さな箇所から順次進行する破壊であり,本破壊に到るまで応力場は変わらない.余震は,本震の本破壊によって震源域の歪が解放され,破壊域周辺の応力場が急変するために起こる.余震の中には本震の応力場と逆極性の地震も含まれるので前震と区別できる(特報4).
 前述の「2. 2019年3月2日千島海溝外地震M6.2」の17日前の2月13日にも北東548kmの得撫島沖の太平洋Slab上面剪断震源帯でM4.9p・M5.3+p・M5.2pの脈震が起こっている.最大のM5.3を基準にした応力場極性偏角は,M4.9が16.9°・M5.2が12.0°と応力場の変化は認められない.脈震による太平洋Slab上面の抵抗が減少し,Slabが沈込み,海溝外地震M6.2が起こったと考えられる(図312).
 また,「3. 2019年3月11日の東北沖震源帯茨城沖M6.0P18km」の14分後にM4.9P28kmが起こっているので,脈震である.

5.2019年4月の月刊地震予報

 千島海溝域では太平洋Slab沈込歪増大に対応する前震が択捉島・国後島・得撫島で起っていたが,3月2日にCMT初の海溝外地震M6.2が起こり,択捉島沖の巨大地震に警戒が必要である.
 東北沖震源帯茨城沖でM6.0脈震が起こったが,東日本巨大地震後には起こっていないので警戒が必要である.
 日向灘では3月27日にCMTの脈震が起こったが,2013年3月11日の初脈震から起っていなかった.これまでの大阪府北部・島根県西部・琉球海溝・与那国島・台湾の地震は本震に到らない前震段階にあり,警戒を呼び掛けていたがこれに日向灘の脈震が加わり,更なる警戒が必要である.

月刊地震予報114)胆振のM5.8,沖縄TroughのM5.5,2019年3月の月刊地震予報

1.2019年2月の地震活動

気象庁が公開しているCMT解によると,2019年2月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で16個0.094月分,千島海溝域で5個0.091月分,日本海溝域で5個0.272月分,伊豆・小笠原海溝域で0個,南海・琉球海溝域で6個0.068月分であった(2019年2月日本全図月別).2018年12月の2か月分近くまで増大したが低下し,2017年12月以来の1割以下に下がった.
最大地震は2019年2月21日胆振のM5.8Pr深度33kmで,次大は2月16日沖縄TroughのM5.5nt12kmである.また,得撫島沖では2月13日M5.3+p30km・M5.2p30kmの連発地震があった.

2.2019年2月21日胆振のM5.8

 2019年2月21日21時22分に胆振でM5.8Pr深度33kmがあった(図310).全道停電を起こした胆振地震(2018年9月6日M6.7)を基準にすると,震央距離8kmで応力場偏角32.2°とほぼ同じ位置と応力場で起こった地震である.本地震の後,2019年2月23日M3.9p30km,27日M3.5p31kmが続いたが,主応力場極性の逆転は起こっておらず,前震とも考えられる.

図310 2019年2月胆振の主応力場極性偏角Π.
沿岸震源帯nShのIS解44個の内,1個のみが襟裳半島に位置し,43個は胆振に集中している.クリックすると拡大します.

胆振地震は,20時間後M4.1の主応力場極性逆転によって本震であったことが確認され(月刊地震予報109),10月18日M4.1pr33kmまで余震が続き,10月20日M4.4pr29km で東方に移動した後(月刊地震予報110),11月・12月にM4.7pr32km・M4.0pr29km・M3.5nt31kmが散発し(月刊地震予報111月刊地震予報112),静穏化していた.これらの震源は,強度の最も大きい島弧Moho面付近に位置し(月刊地震予報86),日本海拡大時の巨大境界,北米Plateとの衝突境界部に当たり(月刊地震予報109),千島弧の地震などの影響によって,胆振地震を起こした応力の再蓄積が予想される.

3.2019年2月16日沖縄TroughのM5.5

2019年2月16日19時01分M5.5nt12kmが宮古島沖の沖縄Troughであった(図311).
沖縄Trough最大CMTは,北東部の2015年11月18日M7.1+nt17kmであり(月刊地震予報74),翌年の2016年4月16日に熊本地震M7.3が起こっている(月刊地震予報79).南西部の宮古島沖では次大のCMT2007年4月20日M6.7T21kmがあった(月刊地震予報74).

図311 2019年2月16日沖縄Trough地震M5.5の主応力場極性偏角Π.
 数字は年月日,Mは規模.クリックすると拡大します.

本地震の震源は,次大CMT2007年M6.7から南西46kmと近接しているが,応力場偏角は76.8と異なっている.一方,沖縄Trough北東部の最大CMTからは,南西713kmと離れているが,応力場偏角は28.4とほぼ同じ応力場で起こっている.本地震に先行した連発地震2019年1月24日M4.5nt9km・25日M4.6np7km(月刊地震予報113)は最大CMTから北北東方115kmで起こり,応力場偏角は23.4°と45.1°であった.
2015年の最大CMTの活動は2016年まで続くが,南西方に及んでおらず,2016年から2018年に逆応力場のCMTが全域で起こった後,中部から最大地震応力場の活動が南北に拡大して,現在に至っている.
沖縄Troughの地震活動は比海Plateの琉球海溝への沈込と台湾への衝突によるTrough拡大に伴って起こっている.本地震前の沖縄Trough北西部の連発地震には,1月3日熊本の地震M5.1-np10kmや1月8日種子島の地震M6.0P30kmが先行しており,琉球海溝に沿う比海Plate沈込との関連が指摘されていたが(月刊地震予報113),その応力場が沖縄Trough南西部にまで拡大したのが本地震と言える.

4.2019年3月の月刊地震予報

本震に至らない前震と考えられる連発地震が起こった択捉島・国後島・三重会合点・大阪府北部・島根県西部・琉球海溝・与那国島・台湾に(月刊地震予報113),胆振と沖縄Troughが加わり,全国的に一触即発の状況が続いている.