速報43)東日本大震災前に戻った日本海溝域の地震活動と琉球南海域の活発化・2013年7月の地震予報

1.東日本大震災前に戻った日本海溝域の地震活動と琉球南海域の活発化

 2013年6月には,日本全域で21個の地震があり(2013年6月日本全域月別),地震面積比は0.29月分とプレート相対運動の3分の1と少なかった.地区毎の地震面積比は,千島海溝域で0.13月分,日本海溝域で0.07月分,琉球南海域で0.60月分,伊豆マリアナ海溝域では0と少ない.日本海溝域の0.07月分の地震面積比は2010年11月の0.03月分に次いで少なく,初めて東日本大震災以前の状態まで戻った.琉球南海域では1994年からの平均地震面積比0.51を越え,活発である.

2.2013年7月の地震予報

 日本海溝域では初めて東日本大震災以前の静穏さを取り戻したが,2013年5月には太平洋プレートの屈曲沈み込み過程地震が起っているので(速報42),この太平洋プレート沈み込みの影響による地震活動の再発に警戒が必要である.これまでの大きな地震活動の前に静穏期があることからも,引き続き注意を要する.
 千島海溝域では,2012年7月以来活発な地震活動の続く得撫島付近で(速報29速報41),6月3日から6日にかけてM5.0からM5.2の衝突逆断層P型地震6個がスラブ上面付近で連発したことから,今後の活動に警戒が必要である.
 フィリッピン海プレート運動の活発化が琉球南海域に現われており,西南日本から琉球海溝域では今後の地震活動に注意が必要である.