月刊地震予報158(2022年11月20日)2022年11月の月刊地震予報

1.2022年10月の地震活動

 気象庁が公開しているCMT解によると,2022年10月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で14個0.125月分,千島海溝域で5個0.082月分,日本海溝域で3個0.083月分,伊豆・小笠原海溝域で2個0.043月分,南海・琉球海溝域で4個0.212月分であった(2022年10月日本全図月別).
 2022年10月の総地震断層面積規模はΣM6.4で,最大地震は南海Trough域九州小円区の南海Trough震源帯九州震源区TrPhKysに起こった2022年10月2日深度29㎞ M5.9で,M6.0以上の地震は無かった.

2.2022年11月の月刊地震予報

 2021年1月からの地震活動は,日本海溝域が圧倒していたが,2022年9月18日M7.4によって歪解放周期が更新された琉球海溝域が加わった(図486).

図486.2021年1月から2022年10月までの日本全域22月間のCMT解
 震央地図(左図),海溝距離断面図(中図)地震断層面積変遷(右上下図):右縁の数字は月数(図422説明参照(月刊地震予報144).
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 琉球海溝域の歪解放周期更新により,琉球海溝沿いにM7級の連鎖的な活動が警戒されたが連鎖はせず,海溝沿いの九州沖M5.9が10月の最大地震となった.しかし,琉球海溝域の歪解放期に入ったばかりであり,今後しばらく海溝域の警戒が必要である.