月刊地震予報140)2021年5月の月刊地震予報

1.2021年4月の地震活動

 気象庁が公開しているCMT解によると,2021年4月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で10個0.045月分,千島海溝域で0個,日本海溝域で4個0.198月分,伊豆・小笠原海溝域で1個0.006月分,南海・琉球海溝域で5個0.045月分であった(2021年4月日本全図月別).日本全域総地震断層面積比は2021年1月の0.1割以下から,2021年2月の1.8月分への急増の後,3月には7割以下に減じ,4月に0.1割以下に静穏化した.
 最大は日本海溝域の2021年4月18日北上前弧沖震源帯M5.8である.日本全域のCMT総地震断層面積規模はM6.0で,M6.0以上の地震は無かった.

2.2021年5月の月刊地震予報

 東北地方に最大震度6強の阿武隈前弧沖震源帯2021年2月13日M7.3(月刊地震予報138)に続き,2021年3月20日に北上前弧震源帯M6.9の最大震度5強が襲い(月刊地震予報139).4月18日にも北上前弧沖震源帯でM5.8が起っている.日本海溝域の初動IS解は,2021年1月に30個,2月に73個,3月に66個あったが, 4月にも1月より多い41個あった.今年の4月までのIS解総計は220個になり,昨年2020年の総計233個に迫る勢いであり,日本海溝域の地震活動に警戒が必要である.