月刊地震予報167)2023年8月の月刊地震予報
2023年8月15日 発行
1.2023年7月の地震活動
気象庁が公開しているCMT解によると,2023年7月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で14 個0.052月分,千島海溝域で2個0.005月分,日本海溝域で6個0.079月分,伊豆・小笠原海溝域3個0.088月分,南海・琉球海溝域で3個0.071月分であった(2023年7月日本全図月別).
2023年7月の総地震断層面積規模はΣM6.0で,最大地震は,2023年7月9日の台湾深度10㎞の琉球海溝近海震源帯nShPh台湾震源区Tw M5.7troであった.
2022年8月から2023年7月までの2年間のCMT解330個の総地震断層面積規模はΣM7.8で,Plate運動面積規模はM8.2,その比は0.282である(図511の中図上).Benioff曲線には東北前弧沖震源帯ofAcJの2022年3月M7.3(月刊地震予報151)と琉球海溝域の歪解放周期更新の2022年9月M7.0(月刊地震予報157)の2つの大きな段差が緩い傾斜の静穏期の中に認められる(図511右図左端のTotal/4).
千島海溝域Aは,Plate運動との比が0.041と静穏化しているが,4ヶ月毎にM6.1以下であるが段差が生じており,2023年6月にもM5.6があり(図511右図右端),2023年10月まで警戒が必要である.
日本海溝域 B では,横幅を総地震断層面積に合せているので目立たないが上端に,2023年の5月と6月の2個のM6.2段差が加わっている.
2.2023年8月の月刊地震予報
千島海溝域は,2013年5月24日M8.3の千島和達深発震源帯Kamchatka震源区WdtiCKamc以降静穏化しており,大地震が襲来する第一の候補域である.M6.1以下であるが,昨年7月から4ケ月毎に地震が起こっており,2023年6月23日にもM5.6があり,4ヶ月後の2023年10月には警戒が必要である.