月刊地震予報142)2021年7月の月刊地震予報

1.2021年6月の地震活動

 気象庁が公開しているCMT解によると,2021年6月の地震個数と総地震断層面積のPlate運動面積に対する比(速報36)は,日本全域で14個0.041月分,千島海溝域で1個0.022月分,日本海溝域で7個0.103月分,伊豆・小笠原海溝域で2個0.045月分,南海・琉球海溝域で4個0.034月分であった(2021年6月日本全図月別).日本全域総地震断層面積比は2021年1月の0.085月分から,2021年2月の1.786月分への急増の後,3月には0.647月分,4月に0.044月分に静穏化したが,5月に0.612月分へ活発化して,6月に0.041月分に静穏化した.
 6月に起こった最大の地震は,日本海溝域の2021年6月20日M5.4で,太平洋Slabの前弧震源帯(月刊地震予報141)より深部の深発地震面(速報34)上部で起った.日本全域のCMT総地震断層面積規模はΣM6.0で,M6.0以上の地震はなかった.

2.2021年7月の月刊地震予報

 2021年には地震活動の増減を繰返しているが,南海Trough域や日本海溝域・千島海溝域の巨大地震の準備段階にあることも考えられることから(月刊地震予報141),今後の地震活動の推移を見守る必要がある.