2011年11月11日 発行
太平洋プレートが東日本に沈み込む間際に日本海溝などの海溝の外側,つまり太平洋沖側で起こる地震は,太平洋プレートの動きを力学的にとらえるための指標となる.この地震を海溝外地震(図26)と呼び,1994年9月から17年間分の海溝外地震の解析を行ったところ,以下の4つの結論を得た.
- 太平洋プレートは海溝に沈み込んだプレートの引によって駆動している.
- 東日本巨大地震で開放された歪は太平洋底に蓄積されていた.
- 歪は2005年からの6年間で蓄積した.
- 日本海溝を挟む千島海溝,伊豆・小笠原海溝のプレート引が日本海溝の沈み込み障害を打ち破って東日本巨大地震が起こった.

図26 海溝外地震のプレートダイナミクス
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2011年8月14日 発行
太平洋プレートが日本海溝に沿って同心円状に沈み込むと,上部には引張力が働き正断層が発生する.その典型は本震40分後の地震(図20の11-4)であり,T軸方位が西北西(北から時計回りに290°)の太平洋プレート運動方向である(速報4).太平洋プレートの沈み込み状況は,日本海溝に沿って起るこの型の地震断層面積(速報9)を加算した累積地震断層面積によって知ることができる.3月11日の本震以来の累積地震断層面積は0.157km2で,その内に本震直後の余震の0.126km2も含まれ,80%を占める.その後,3月22日までに0.144km2の92%に達し,4月7日宮城県沖M7.1(図20の4/7)および4月11日浜通M7.0(図20の4/11)の大余震が起こった.6月14日のM6.0によって0.156km2の99%に達し,7月10日宮城県沖M7.3 が起こった(図20の10-1).

図20.CMT震源図2011年7月
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2011年8月14日 発行
沈み込み境界輪郭と沈み込みプレートの過不足

図17.沈み込みプレート過不足と裂開
今,長方形の机があったとしよう.海洋底プレートを1枚のテーブルクロスに例えると,机の端が海溝となる.机の長辺と短辺では,テーブルクロスはまっすぐ垂れ下がるが,机の角では,テーブルクロスが余ってひだになる.また,円形の机の場合には,テーブルクロスは,均等に余ってひだ状に垂れ下がることが想像できるであろう.
マントルに沈み込んだ海洋底プレートも机に垂れ下がるテーブルクロスと同様に、海溝の形状によって、過不足が起きていると考えられる。海洋底が海溝に沿って沈み込む場合,海溝の輪郭が海洋底側から突き出している「く」の字型境界では,テーブルクロスが机の角から垂れ下がってひだを作るように沈み込んだ海洋プレートが過剰になる(図17a).
逆に海溝の輪郭が海洋側へ突き出している逆「く」の字型境界では,沈み込んだ海洋プレートが不足する.沈み込みを継続するためには,沈み込みプレートの不足を調整しなければならない.この不足を調整するには,不足している沈み込みプレートが裂開することと(図17b),過剰な沈み込みプレートを不足している方へ移動することが必要である.
逆S字型の日本海溝輪郭に沿って沈み込む太平洋プレートが不足するのは逆「く」の字型の最上小円域であり,過剰になるのは「く」の字型の鹿島小円域および襟裳小円*域である.沈み込んだ太平洋プレートが裂開すれば,プレート運動方向に直交した引張T軸を持つ正断層型地震が起こるはずであり,過剰域から不足域へ移動すれば横ずれ断層型地震が起こるはずである(速報11).
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